従業員を安心して雇用するためには、労災保険への加入が大切です。
従業員を雇用する農業経営者は、労災保険への加入を確認しましょう。
なお、経営者本人や家族従事者の方は、一定の要件を満たすことで「特別加入制度」を利用できます。
■雇用している農業経営者
法人経営や労働者を雇用している農業経営者は、労災保険への加入が必要です。
【参考】経営者本人・家族従事者も補償を受けたい方へ
経営者本人や家族従事者は、一定の要件を満たすことで特別加入制度を利用できます。
【主な必要書類】
※加入区分により異なります。
※登記簿謄本、事業主の「住民票」(個人事業のとき)が必要となります。
※労災保険の手続きのほか、従業員を雇用する場合は、労働条件通知書の交付や法定3帳簿(労働者名簿、賃金台帳、出勤簿)の作成・保存など、各種労務管理に関する対応が必要となります。
労災保険料は、給付基礎日額等に応じて決まります。
特別加入の場合は、給付基礎日額(補償額の基準となる金額)を選択し、その額に応じて保険料が決まります。
なお、保険料は毎年納付が必要です。
【主な補償】
- 療養(治療)に関する給付
- 休業に関する給付
- 障害に関する給付
- 遺族に関する給付
- 葬祭に関する給付
労災保険に加入している場合は、毎年「年度更新」の手続きが必要です。
従業員数や賃金額等に変更があった場合は、その内容を反映して手続きを行います。
【年度更新とは】
前年度の保険料を確定し、今年度の保険料を申告・納付する手続きです。
【手続期間】
毎年6月1日~7月10日
【手続先】
年度更新の手続きは、加入方法によって異なります。
自分で加入した場合:労働基準監督署
労働保険事務組合を利用した場合:労働保険事務組合
社会保険労務士を利用した場合:社会保険労務士
【主な手続内容】
前年度賃金額等の確定
保険料の確定申告
当年度概算保険料の申告・納付
労災保険の加入手続きは、自分で行うこともできますが、地域によって相談窓口や支援体制は異なります。
手続きに不安がある場合は、労働保険事務組合や社会保険労務士などの支援を受けながら進めることも可能です。
まずは、ご自身に合った相談窓口を確認してみましょう。

従業員を雇用する場合は、労災保険への加入だけでなく、働く条件や労働時間、給与などを適切に管理する必要があります。
- 労働条件通知書 労働者を雇うときには、労働者に労働条件を明示する義務があり、原則として書面で交付する必要がある。
- 雇用契約書 法的な義務ではないがトラブル防止のため、雇用契約書の取り交わしが望ましい。
| 労働条件通知書 | 雇用契約書 | |
|---|---|---|
| 義務 | 法的義務 | 義務ではない 雇用契約自体は口頭でも成立 |
| 形態 | 一方的な通知 | 使用者・労働者両者の署名捺印 ※2部作成・相互保管 (本人の直筆・押印が良い) |
| 様式 | 様式は自由 ※明示事項が記載してあればOK | 様式は自由 ※明示事項を満たさない契約書はNG ※実務上は「 労働条件通知書兼雇用契約書」でもよい |
| ポイント | 書面交付が原則 FAX・電子メール・SNSも可 (本人が希望した場合) | トラブル防止のため ※できるだけ作成した方がよい |
- 労働者名簿従業員の氏名や住所などを記録
- 賃金台帳給与額や支払状況を記録
- 出勤簿出勤日数や労働時間を記録
年次有給休暇の取得数や使用数を記録
| 主な記載事項 | |
|---|---|
| 労働者名簿 | ①氏名、②生年月日、③履歴、④性別、⑤住所、⑥従事する業務の種類、⑦雇入の年月日、⑧退職の年月日及びその事由、⑨死亡の年月日及びその原因 |
| 賃金台帳 | ①氏名、②性別、③賃金計算期間、④労働日数、⑤労働時間数、⑥時間外労働、休日労働及び深夜労働の時間数、⑦基本給、手当・その他賃金の種類ごとにその額、⑧賃金の一部を控除した場合はその額 |
| 出勤簿 | 出勤日毎の始業と終業の時刻 |
| 年次有給休暇管理簿 | ①年次有給休暇を使用した日付(時季)、②年次有給休暇の取得日数、③年次有給休暇が付与された日付(基準日) |
使用者は、労働者名簿、賃金台帳及び雇入れ、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類を5年間保存しなければならない。
- 労働基準法143条により、当面の間、3年間とされている。
- 労働関係に関する書類には、タイムカード等の労働時間の記録、労使協定の協定書などが含まれる。
- 所得税法231条の規定により、給与支払い明細書の交付が義務付けられている。
