
大切な人と経営を守るための公的な保険制度
事業主は、従業員が仕事中や通勤中に事故やケガをした場合、
労働基準法に基づき補償を行う責任があります。
これを災害補償責任といいます。
しかし、従業員が労災保険給付による補償を受けることができたとき、事業主の災害補償責任は免除されます。
労災保険は、業務上や通勤中の事故・ケガ・病気などに対して、
治療費や休業中の補償、遺族への給付などを行う公的な保険制度です。
農業では、トラクターの転倒や巻き込まれ、
転落、熱中症など、さまざまな事故のリスクがあります。
安全対策を徹底していても、事故を完全になくすことはできません。
だからこそ、事故を防ぐための安全対策と、
万が一に備えるための労災保険の両方が重要です。
労災保険は、「もしも」の時に備え、働く人・家族・経営を守るための大切な制度です。

労災保険はさまざまなものを守ります

- トラクターの転倒、巻き込まれ
- 熱中症
- 高所作業での転落
- 刈払機による事故

治療が必要になります
働けず、収入が減少します
長期的な治療や生活への影響があります
残された家族の生活に大きな影響があります
事故後に必要となる補償をカバー

治療費や薬代、通院費用などを補償します
休業中の所得(収入)の一部を補償します
後遺障害が残った場合に、年金や一時金を支給します
ご本人が亡くなった場合に、遺族の生活を支える年金などを支給します
労災保険はさまざまなものを守ります

事故後の治療や生活を支える
大切な家族の生活を守る
安心して働ける職場づくりにつながる
事故による経営への影響を軽減する
労働者が業務中や通勤中に事故や病気となった場合、事業主には労働基準法に基づく災害補償責任があります。
労災保険から給付が行われた場合、その給付の範囲について事業主の災害補償責任は免除されます。
労災保険は、働く人を守るとともに、事業主の災害補償責任に備えるための公的な保険制度です。
労災保険は、経営形態や雇用の有無によって加入方法が異なります。
- 法人経営
- 個人経営
正社員、パート、アルバイト、外国人従業員など、雇用している従業員が対象となります。
※現在、農業分野では、個人経営で従業員が常時5人未満の場合は任意加入となっていますが、遅くとも2031年7月までに原則適用(加入義務化)となります。
通常、労災保険は労働者を対象とした制度ですが、農業では経営者本人や家族従事者も農作業中の事故に遭うリスクがあります。
そのため、特別加入制度を利用することで、経営者本人や家族も労災保険に加入することができます。
農業でも労災保険の適用拡大が予定されています
現在、農業分野では、個人経営で従業員が常時5人未満の場合は、労災保険への加入は任意となっています。
しかし、農業における事故の多さや、働く人を守る必要性などを踏まえ、この暫定措置は2031年7月までに廃止される方向です。
今後は、従業員を雇用する農業経営においても、労災保険への加入がより重要になります。
従業員を守り、安心して雇用できる環境を整えるためにも、今から制度を理解し、あらかじめ加入することが大切です。
(準備期間)
| 給付の種類 | 概要 |
|---|---|
①療養(補償)給付 | 業務や通勤中の傷病について、必要な療養の給付や費用の支給を行う |
②休業(補償)給付 | 療養のため労働することができず、賃金を受けられないとき、休業4日目から、平均賃金の6割に相当する金額の支給を行う |
③傷病(補償)年金 | 療養後1年6ヶ月経過しても治らずに、その傷病が重い場合、障害の程度に応じた年金の支給を行う |
④障害(補償)給付 | 治癒後に後遺障害が残り、将来に向かって収入を得られなくなったことによる損害を填補するものとして、年金又は一時金の支給を行う |
⑤遺族(補償)給付 | 被災労働者が死亡した場合、遺族に対し年金又は一時金の支給を行う |
⑥葬祭料・葬祭給付 | 死亡した労働者の葬祭を行った者に給付を行う |
⑦介護(補償)給付 | 傷病により一定の障害を負って介護を要する状態となった労働者に対して、介護に要した費用を支給する |
⑧二次健康診断等 | 過労死防止対策の一環として、定期健康診断において脳・心臓疾患に関連する一定の項目に異常の所見があると認められた場合に、二次健康診断及び特定保健指導の給付を行う |
小さな負担で大きな補償が得られます。
■ 農繁期のみ雇用
年間賃金20万円
年間保険料 約2,600円
■ 半年間雇用
年間賃金120万円
年間保険料 約15,600円
■ 通年雇用
年間賃金300万円
年間保険料 約39,000円
- ※実際の保険料は賃金総額等により異なります
経営者や家族も加入できる労災保険です。
労災保険は、もともと従業員(労働者)を守るための制度です。
しかし農業では、従業員だけでなく、経営者本人や家族が農作業を行うことも多くあります。
農作業中の事故は、従業員だけでなく、経営者本人や家族にも起こる可能性があります。
そこで、経営者や家族従事者なども労災保険に加入できるように設けられているのが 「特別加入制度」 です。
一定の要件を満たすことで、経営者本人や家族も労災保険による補償を受けることができます。

農業では「従業員」と「経営者本人」の両方の備えが大切です。
従業員を雇用している場合は、従業員を守るための一般加入が必要です。
また、経営者本人や家族も事故に備えたい場合は、特別加入制度を利用することができます。
農作業事故は、従業員だけでなく、経営者本人や家族にも発生します。
安心して農業を続けるためには、従業員を守る備えと、自分や家族を守る備えの両方が大切です。

農作業事故は、ベテラン・初心者を問わず誰にでも起こり得ます。
事故を完全に防ぐことは難しいからこそ、日頃からの安全対策に加え、
万が一に備えることが重要です。
労災保険に加入している場合と加入していない場合では、
事故が発生した際の本人や家族、従業員、
そして経営への影響が大きく異なります。

- 治療費や入院費などの負担が発生する可能性
農作業中の事故により重傷を負った場合、長期間の治療や入院が必要となることがあります。 労災保険に加入している場合は、療養に関する給付の対象となりますが、未加入の場合は、こうした公的な補償を受けられない可能性があります。
- 万が一の場合、家族や経営に大きな影響
死亡事故や重篤な事故が発生した場合、家族の生活や農業経営の継続に大きな影響を及ぼします。 労災保険には、遺族への給付や葬祭に関する給付がありますが、未加入の場合はこうした補償を受けられない可能性があります。
- 人材確保への影響
求職者は労災保険や社会保険の加入を当たり前のことと考えており、未加入の場合は優秀な人材を確保できなくなる可能性があります。
- 経営への影響
事故が発生すると、治療や補償への対応だけでなく、事故原因の確認、各種手続き、代替人員の確保など、多くの時間と労力を要します。 未加入の場合、事故後の経済的・事務的負担が大きくなり、経営継続に影響を及ぼす可能性があります。
- 安心して働ける職場づくりに
労災保険は、仕事中や通勤中のケガ、病気、障害、死亡などに対して補償を行う公的保険制度です。
万が一の際の補償が整っていることで、従業員が安心して働ける職場環境づくりにつながります。 - 雇用人材の確保・定着に
近年、求職者は賃金だけでなく、労災保険や社会保険への加入状況、安全に働ける環境が整備されているかを重視する傾向があります。
労災保険への加入は、安心して働ける職場であることを示す一つの要素となり、人材確保や定着にもつながります。 - 万が一の事故への備えに
万が一の事故への備えに 農作業中に事故が発生した場合でも、
- 療養(補償)等給付
- 休業(補償)等給付
- 障害(補償)等給付
- 遺族(補償)等給付
などの制度により、働く人や家族を支えることができます。
- 経営リスクが軽減
事故が発生すると、治療費や休業への対応だけでなく、営農活動の停滞や代替人員の確保など、経営面にも大きな影響を及ぼします。
労災保険は、事故発生時の経済的負担を軽減し、経営継続を支える備えとしての役割を果たします。 - 比較的少ない負担で加入
労災保険は国の公的保険制度であり、補償内容に対して比較的少ない負担で加入することができます。
- 国の制度による補償
労災保険は民間保険ではなく、国が運営する公的保険制度です。 業務や農作業中の事故に対し、法律に基づいて必要な補償が行われるため、安心して利用することができます。
